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日々の泡

書きたいときに書きたいことを書きます。

腐女子でドルオタでばんぎゃるクラスタのはずだったわたしが突然テニミュにはまった理由

去年の9月にわたしの心をかっさらっていった、「ミュージカル テニスの王子様」(以下テニミュ)について、書いて放置してあった文章を、当時の記憶を呼び起こしながら完成させてみました。

 
テニミュとは、週刊少年ジャンプで連載されていたまんが、「テニスの王子様」(以下テニプリ)をミュージカルにしたもので、今からおよそ10年前、2003年にはじまりました。わたしは当時、1X歳で、テニプリの原作やアニメはチェックしていたものの、ミュージカルを観る、という発想はありませんでした。
けれど先日、一度くらい観てみよう、そんな軽い気持ちで観に行ったわたしは、その翌々日の公演にもう一度足を運び、大千秋楽のライブビューイングのチケットを確保するほどに心を奪われてしまったのです。
この記事は、その理由について考えながら書き散らかした文章です。
 
※注意※
・当時の記憶をなるべく当時のまま抽出するため、大千秋楽のライブビューイングに行き、映画祭に期間中5回足を運び、過去のDVDを観て、四天宝寺戦を名古屋で2回、東京凱旋公演を2回と大千秋楽ライブビューイングを観に行った現在のわたしとは知識量にギャップのある文章になっています。
・つまり、跡部様の慈悲深さに気付き平伏したり、三津谷さんの不二を観てなんだこの人ちょうちょか!? と驚いたり、四天宝寺戦を観てテニミュ尊い…! と涙したりするのはまた別のお話です。
テニミュに陥落したわたし自身のバックグラウンドにも触れる内容になっているので、実際の公演に触れはじめるのはエントリーの中盤以降になります。てきとうに読み飛ばしながら読んでください。
 
 
1. 足を踏み入れる準備はできていた
 
TIGER & BUNNY
タイトルにもある通り、わたしは腐女子です。けれどわたしの腐女子人生において、2年前まで最初で最後の二次元ジャンルだったのが、テニプリでした。10年以上前にテニプリを知ったわたしは、しばらくしてテニプリを読まなくなると、次第に既存のキャラクター同士をかけあわせることをやめました。それからは、ヤマシタトモコ作品などの、いわゆる商業BLを読むことが、わたしの腐女子としての主な活動でした。
けれど、そんなわたしを二次元に引き戻したのが2年前の春から放映された、TIGER & BUNNYというアニメです。わたしはしばしばこのときの衝撃を、「虎徹さんが空から降ってきた」と表現します。このアニメは、ながらく二次元の現場を離れていたわたしに、おっかなびっくりpixivに触れされたり、うすいほんを何kぶんも1度に買わせたりするほどの力を持っていました。
(わたしがテニプリを読んでいたとき、pixivは存在していませんでした。あれはほんとうに時間を食べる、おそろしいサイトです)
こうしてわたしは一度離れたと思っていた二次創作の世界に、以前そうだったときよりもどっぷり浸かる生活を再開することとなったのです。
 
・女性アイドルとの出会い
今や国民的アイドルとも言われるAKB48ですが、わたしがその存在を意識しはじめたのは、2009年ごろです。当時のぼり調子だったAKB48はこの年、紅白にも出ています。たくさんの女の子が踊っているさまを見るのが好きだったわたしは、アイドルが好き、というには至りませんでしたが、彼女らがテレビに出ているときは、それなりに意識を向けていました。
そして、本格的に48Gを意識するようになったのがその次の年にリリースされたBeginner、さらに現在推しているSKE48を推すきっかけが、その1年とすこし後に発売された片想いFinallyです。
(すべての百合好きに片想いFinallyのMVを一度観ていただきたい、わたしはそう考えています)*1
そして、ゆっくりと深度を深めながら女性アイドルを知っていくうちに、劇場や、握手会にも足を運ぶ機会を得ることとなりました。16人の女の子が、汗をかき、髪を乱しながら一生懸命踊っているさまは、とても涙腺がゆるむものです。ほんとうに素晴らしいです。
 
しばらく二次創作的な意味での腐女子活動から離れていた期間、わたしは主にバンドを追いかけていました。ムック、Plastic Treecali≠gariなどのV系を通って、今はPeople In The Boxcinema staffなどの邦ロックのライブに行くことが多いです。高速バスや新幹線を使って遠征をすることも少なくなく、1本のツアーのうち、5回、6回のライブを観に行ったこともあります。
追いかけていた、という表現を用いましたが、自分の認識としてはそう多くライブに行っているつもりはありません。一般的にはたくさんのライブに行っているけれど、わたしと同じように新幹線や高速バス、飛行機を駆使してライブに行く人たちから見たら少ないかな、というくらいでしょう。
一人で高速バスや新幹線でライブに行くようになって、6年くらいになるでしょうか。この6年で身についたのは、バスやホテルの手配のスキルよりも、いざという時のフットワークの軽さであるように思います。
 
 
2. 見えざる力の存在
 
わたしがテニミュを観に行くことに決め、チケットを取ったのは、その前日の22時過ぎのことでした。そしてテニミュを観に行くかどうか考えはじめたのはその2時間ほど前、20時過ぎのことでした。
わたしは先日友人に会って、今回このようにしてテニミュを観たこと、そしてそれがとてもよかったことを話したのですが、なぜ自分が突然前日の、手数料込みで6k弱するチケットを取ることにしたのか、その心理をうまく説明することはできませんでした。
もちろんきっかけはあります。わたしと同じように、しばらくテニプリを離れていたTwitterのフォロワーさんが、突然翌日のチケットを確保し、彼女にとって初めてのテニミュだったその公演を大絶賛していたことです。
けれどいくらわたしがバンギャル活動でフットワークの軽さを身につけていたとしても、それだけで突然翌日のチケットを取るに至るでしょうか。わたしは今回のことに、偶然や、タイミングの魔法が絡んでいるように思うのです。
 
・再燃するテニプリ熱とその行方
テニプリを読まなくなるとともに、わたしが二次創作的な腐女子活動から離れたのは前述の通りですが、当時のお気に入りサイトには定期的に足を運んでいました。
数年前に更新が止まってしまっていたそのサイトは、ほかの放置サイトがそうであるように、しばらくの間そのまま残っていました。けれど、1、2年ほど前のことでしょうか。そのサイトがあったレンタルサーバの消滅と共に、そのサイトもなくなってしまったのです。
それからしばらくは、わたしもそのサイトの消失を悲しむのみでした。けれど、2013年の初夏になって、ふと思いついたのです。新たに通うサイトを見つければいいのだ、と。
わたしの推すキャラクターは氷帝の天才、忍足侑士です。彼はいろいろな意味で人気があるキャラクターですが、わたしの求めるものは一般的な市場よりは少なく、やや探しにくいものでした。タイバニに触れるなかで身につけた知識を駆使して、インターネットの海を泳ぐ日々を過ごしました。
そうしたなかで気づいたことがいくつかあります。
・今テニプリを推す人は、たいていテニミュもかじっていること
・わたしより年下の二次創作サイトの管理人さんも存在しており、つまりテニプリは今なお新規を獲得し続けているジャンルであること
・pixivより個人サイト、という風潮が僅かに残っていること
今にして思えば、この時点でテニミュへの伏線は張られていたのです。
新しいサイトや作品を探すことは、テニプリや、忍足についての新しい発見を得たり、原作についてあらためて考えることでもありました。そしてそれは、テニプリ熱や、忍足熱の再燃でもありました。
わたしはそうして、処分してしまった20.5巻や、青学氷帝戦のコミックスを読み返したい、もう一度手に入れたい、と思うようになりました。
 
・全国大会 青学 vs. 氷帝
わたしが突然テニミュのチケットを取った最も大きな理由は、今回の公演が青学 vs. 氷帝だった、ということです。氷帝には、わたしの推しキャラである忍足がいます。
これが例えば不動峰立海など、氷帝戦ではなかったら、わたしはフォロワーさんの大絶賛を読んでも、いつか行ってもいいかな、程度で流していたと思います。
わたしはテニミュへのレールを知らず知らずのうちに走っていた気がしてなりません。
 
・偏見と忘却
テニミュがはじまってから今に至るまでの10年間、ジャンプ本誌から受け取る以外にテニミュの情報がなかったわけではありません。けれど、その情報はあまり良質なものではありませんでした。
簡単に検索していただければわかると思います。テニミュの空耳です。
近くにこれをおもしろがる友人がいたために、数年前までわたしのテニミュイメージは、ネタ的なものでした。
けれどそのイメージも、記憶の風化と共にゆっくりと薄れていきました。そしてその後、テニミュが好きな知人もできました。彼女は若手俳優からテニミュに行くようになった人で、彼女の好きな俳優さんやテニミュについての話は、ふだんの雑談のなかでしばしば聞いていました。
 
こうして、テニプリ熱を再燃させ、テニミュへの偏見を忘れ去っていたわたしは、フォロワーさんの絶賛を受け、氷帝戦のチケットを取ることになります。
たまたまテニミュ好きの知人を得ていたこと。たまたまテニプリ熱を再燃させていたこと。たまたまフォロワーさんがテニミュを観て、それが彼女にとってもとてもよかったこと。そのときやっていた公演が、たまたま氷帝戦だったこと。どれかひとつでも欠けていたら、おそらくわたしはチケットを取らなかったでしょう。これがすべて偶然だとしたら、おそろしいことです。
 
 
3. なにがわたしをそうさせたか
 
こうしてテニミュのチケットを突然入手したわたしは、その公演にとても感動し、興奮し、翌日にはもう1公演ぶんのチケットを手配し、さらに大千秋楽のライブビューイングのチケットまで購入しました。テニミュのなにが、わたしをここまで必死にさせたのでしょうか。
 
・血湧き肉躍るアイドルのダン
全国大会青学 vs. 氷帝は、比較的間髪入れずに歌とダンスがはじまる公演です。
生歌と共にざっしゅざっしゅ踊る青学レギュラー陣を観たわたしが思い出していたのは、SKE48の小さな劇場で行われる公演の、涙せずにはいられない光景でした。
今まで女性アイドル以外は眼中になかったわたしが、男性の群舞をきちんと観るのはあのときがはじめてでした。男性のほうが振り付けや動きがダイナミックであるとか、多少の違いはありましたが、こうして10人前後の人間が歌と共に踊っている、そこから感じる興奮は同質のものである、と言ってしまっていいと思います。
また、テニミュダンスはただ単純に同じ動きの振りを踊っているわけではありません。
例えば氷帝学園の日吉若は古武術の道場を経営する家の生まれで、テニススタイルも演武の動きを用いたものです。そこから、日吉は群舞においてもラケットを刀に見たてて抜くような動きをする振りがあります。
わたしはアイドルを見ていても、一目でその子とわかるような踊りを好きになる傾向があります。一人一人がキャラとしての動きを少しずつ付与しながら踊る群舞は、そんなわたしにとって魅力的でした。
さらに、わたしはテニミュ全体の構成からもアイドルの公演との共通点を感じていました。
SKE48などの48Gはいくつかの決まったセットリストを持っており、そのセットリストを用いて16人を1単位として1つの公演を行います。公演はすべて、
・16人全員で踊る全体曲数曲
→1人〜5人程度で踊るユニット曲
→16人全員で踊る全体曲数曲
という流れのセットリストになっています。
そして今回観に行った全国大会青学vs.氷帝も会話やラリーなどを挟みつつ、
・青学レギュラー全員で踊る群舞および氷帝レギュラー全員で踊る群舞
→試合を演じながら1人〜複数人で踊るストーリー部分
→再び全員で踊る群舞
という流れのセットリストでした。
またこの公演のセットリストには、ストーリー部分の後に各校の群舞や物語のハイライトをもう一度なぞるようなメドレーが最後にはいっています。このメドレーも、わたしに序盤の感動を再び思い起こさせる、という点で意味のあるものだった、と考えています。
 
・二次元が三次元に
さて、冒頭の青学の群舞でおおきな衝撃をうけたわたしですが、青学が1曲踊ってステージを後にすると、続いて出てくるのは氷帝レギュラー陣です。青学は登場と同時に群舞がはじまりますが、氷帝は群舞にはいる前に少しレギュラー同士の会話をはさみます。
ここでもわたしはテニミュの凄さを思い知ることになります。あの頃紙の上の存在だった、忍足が、岳人が、ジローが、目の前のステージで会話をしているのです。あの胸の高鳴りを表現する言葉をわたしは知りません。けれどまんがのキャラクターだった彼らは、生身の人間としてわたしたちの前にたしかに存在していました。
ストーリーが進むごとに、その実感は強くなっていきました。7年前にジャンプ本誌で読んだ物語の記憶が、せりふや試合展開から浮かび上がってきます。まんがとミュージカルでは、表現方法が違います。けれど、その再現度の高さゆえに、原作とテニミュは同一のものにさえ思えてしまうのです。
ひとつ前に書いたキャラクター独自の動きにも関連してきますが、わたしがとても感動したのは向日岳人の身体能力の高さです。
アクロバティックプレイを得意とする彼は、原作においてとてもたくさん跳びます。ただ跳ぶだけでなく、そんな体勢で球を打てるのか? と疑いたくなるような動きで敵を翻弄するのですが、ミュージカルにおいてもそれは同じでした。
群舞の合間に高く跳んだりラケットを投げ上げたりまわしたりするだけでなく、試合中にも飛んだり跳ねたり回ったり…。ダンスに関する知識がないため、詳しく説明できないのが悔しいのですが、彼は向日岳人そのものでした。
そして、今回のクライマックスとも言える最後の試合は、氷帝の部長跡部景吾と、主人公である青学のルーキー越前リョーマによるシングルスです。7年前に読んだ原作の大部分を忘れてしまっていたわたしにも、どちらが勝つかはわかっている試合です。
一度は跡部に追い詰められたかに見えたリョーマが新しい技をうみだし、再び跡部に迫ります。長い試合はタイブレークに突入、手に汗握る熱戦が繰り広げられます。
これまでの4試合を経て、観客のボルテージも上がっています。跡部リョーマ戦の終盤、周囲からはすすり泣きが聞こえていました。そしてわたしも泣きこそしませんでしたが、この試合が泣きたくなるくらい熱く、苦しい戦いであることを理解していました。*2
あの時あの会場ではたしかにテニスの試合が行われており、そこにはそれだけ感情を揺さぶる熱が渦巻いていました。
 
・そして準接触
この公演の最後、アンコールで歌われる曲は「WE ARE ALWAYS TOGETHER」という、コールアンドレスポンスを含む楽しげな曲です。
熱い戦いを終えたみんなは、本来ポーカーフェイスのキャラクターもにこにこしながらこの曲を歌い、踊ってくれます。
この曲では終盤に、キャストの一部が客席に降りて手を振ったりコールアンドレスポンスを促したりしてくれる演出があります。わたしがはじめてテニミュに足を運んだ日、わたしの近くを通ったのは、なんの偶然なのか、わたしの推しキャラである忍足侑士でした。
あのときの衝撃をなんと言い表していいものか、わたしにはわかりません。ただ、わたしからちょうど3席ぶんほど離れたところで立ち止まった忍足は、目こそあいませんでしたが、こちらに向けて手を振ってくれたのです…。わたしはあのときのはにかむような笑顔を、今でも思い出すことができます。
あれは接触ではありませんでした。けれど、接触並みの体験でした。準接触、と呼べるものでした。*3
考えてみれば、おそらくすべての歯車が狂いはじめたのはこのときなのです。Twitterのログを見返しても、幕間のpostはそれなりに文章のかたちを取っていますが、終演直後のわたしは文章をpostすることができていません。*4
アイドル的な存在すべてに言えることではと思っているのですが、彼らの一定距離以内に入ってしまったとき、わたしたちにもう勝ち目はないのです。そこからはもう沼です。逃れられない沼です。
 
こうして、アイドルを観たと同様の血湧き肉躍るあの情熱を感じ、好きだったキャラクターたちが手に汗握る熱い試合を繰り広げるのを目撃し、準接触とも言える経験を自分の推しキャラクターでしてしまったわたしは、日本語をpostすることもままならないほどの状態になってしまいました。
そしてもう一度公演を観るため、着々と根回しや準備をはじめ、チケットぴあにアクセスし、駅を駆け抜け、翌々日の12時半過ぎには大千秋楽ライブビューイングのチケットをおさえながらふたたび金山駅に降り立ったのです…。*5
 
 
さてここまで、あの時の自分の状況の整理のため、という名目でパッションのおもむくままに書き殴ってきましたが、実際のところ、現在ここまでずぶずぶになっている明確な理由を、わたしは見つけることができていません。
フォロワーさんともいくどとなく話していることではありますが、すべてはタイミングで、なにか強烈な引力に導かれてしまったんだな、と漠然と思っています。
そして、もっといろんな人に、この引力に巻き込まれてほしいな、とも思っています。こんなに楽しいのに、こんなに尊いのに、観ないでいるのはもったいないです。
みんなで幸せになりましょう!
 
7000字をこえる長文となってしまいましたが、最後まで読んでくださってありがとうございました。
テニミュを初めて観にいった2013年の9月6日の夜、わたしが最後にしたpostを引用してこの記事をしめさせていただきます。
 
 

*1:ちなみにそのMVがこちら


2012/1/25 on sale 8th.Single 片想いFinally MV(special ...

*2:このときのことについて、わたしはTwitterで「両隣の人が2人ともS1でめっちゃ泣いてて、わかるよ、わかるよおおお…! と思っていた。」とpostしています。

*3:ここでいう接触とは、握手会などの触れあい系イベントをさします。

*4:そんなわたしの当日のTwilogがこちら:

http://twilog.org/honeyx_xtrap/date-130906

*5:主に名古屋を拠点として活動中のわたしが観に行ったのは金山駅にある日本特殊陶業市民会館で行われていた公演でした。